コラム4

神前結婚式



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神前結婚式が庶民に普及し始めたのは昭和30年代から。

神前結婚式も神社では「神様のお祭り」を行うと考えております。
皆様、神社のお祭りというと、御神輿を担いだり山車を引き回したりする 「大祭」を想像されますが、当然「大祭」は大切なお祭りです。
しかし、神社のお祭りは大祭だけではございません。
ご祈祷と言われる個人祈願も立派なお祭りとして捉えています。
神社においてのお祭りの基本は 神様に何か一つお願い事を聞いていただくにあたり宴を開き、感謝を申し上げる。
それが神社のお祭りの基本です。
その為に神饌をお供えし、お神楽をご覧いただき感謝の誠を申し上げる。
神社のお祭りは太鼓に始まり、太鼓で結びを告げます。
神様に音の合図にてお祭りの開始、結びを告げるのです。
神前結婚式も同じです。

神前結婚式の特色的な儀式

1.祝詞奏上
祝詞といわれるお願いの文章を祭主が読み上げ、神様にお願い事をお伝えします。
神前式では二人の結婚を見守っていただき、これから二人が築いて行く新たな家庭を末永く見守っていただきますように。 という内容になるのです。

2.三三九度の儀
特色的な儀式としては三三九度の儀がございます。
小、中、大の盃にて二人がお神酒を交し合う儀式ですが 現在日本で行われている神前式の9割が略式となっており、正式な三三九度の儀は行われておりません。

本来は一つの盃を三度に渡り交します。
小さな盃は 新郎→新婦→新郎の順で
真ん中の盃は 新婦→新郎→新婦の順で
大きな盃は 新郎→新婦→新郎の順で行います
3×3=9(三三九度)で行うのが正式ですが
現在の神前結婚式のほとんどが
小さな盃は 新郎→新婦の順で
真ん中の盃が 新婦→新郎の順で
大きな盃が 新郎→新婦の順で行います。

2×3=6 となってしまい三三九度とは言えません。

ですから、三献の儀、三献盃の儀、夫婦盃の儀等、名称を変えて行う神社も多くございます。

要約すると小さな盃から「過去」「現在」「未来」の思いが込められております。
「過去」を清め、「現在」(今)を見つめ、「未来」を誓う。
そんな思いを神様の見守る前で交す事により、二人が「これから夫婦となって人生の苦楽を全て共にする」その思いを打ち立てる為に行うのが三三九度 の儀に託された意味になります。

3.神楽奉奏
神楽は字のごとく、「神」が「楽しむ」と書かれております。 神様にお喜びいただくために納めるのが神楽です。

4.誓詞奏上
誓いの言葉を読み上げます。祝詞と同じく奏上という言葉が使われております。
奏上とは「神様に申し上げる」という意味になります。
二人の結婚への思いを神様に宣言する。それが誓詞奏上です。

5.玉串奉奠
玉串は神様にたった一つだけ真心を伝えることが出来る尊い道具とされております。
左手に葉先が来る様に渡されます。二人揃って神前に進み、神主の案内に従いまず、時計回りに自分のその根元を向けます。そして玉串に二人の結婚への意思を託し、時計回りにて神前に根元を向けお供えし、二人が「夫婦としてこれからの人生を一緒に歩んで行く」という結婚への思いを神様にお伝えする。

玉串奉奠は神様に結婚への思いをご報告する儀式です。
その後、二礼、二拍手、一礼にてお参りした瞬間が神前結婚式で夫婦となる瞬間となります。

6.花嫁行列
花嫁行列が行える神社もございます。
結婚式に向かう花嫁行列は「娘のお披露目」主催は新婦家となり 結婚式結び後に行う花嫁行列は「お嫁さん(奥様)のお披露目」主催は新郎家となります。

神道には教典はありません。
ですので、神主がお二人に伝える事も教える事もありません。
先祖に感謝し、両親に感謝し、支えてくれた親族、来賓、友人に感謝し、自分の家に誇りをもって夫婦となる誓いを交し神様にその旨を報告申し上げる。

神様に愛を誓うのではありません。

神様に見守られ、二人が愛を誓い、神様にご報告申し上げる。
それが神前結婚式です。


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